株式会社朝日新聞社/大串 絵里香さん

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人事事務

新聞会の記者から
新聞を支えるエンジニアへ

株式会社朝日新聞社

CTO室

大串 絵里香

理工学部(旧:工学部) 応用化学科 卒業

新聞社と聞くと、多くの人が記者を思い浮かべるかもしれません。
しかし、日々の報道には多数のエンジニアが関わっています。
大串さんは朝日新聞社のエンジニアとして採用され、現在はCTO室で採用活動にも携わっています。
化学専攻から新聞社のエンジニアという異色のキャリアパスを選んだ理由とは?
そして、大学時代に培った経験が今の仕事にどう生かされているのか、お話を伺いました。

「環境問題」と「化学」に
導かれた学びの選択

小学生の頃、地球温暖化やオゾン層破壊が社会問題としてメディアで大きく取り上げられていました。そうしたニュースなどを見るうちに、環境問題の悪化を防ぎたいという思いが強くなり、漠然とながらも将来は環境問題に関わる仕事に就きたいと考えるようになりました。

中学・高校時代は、化学実験の面白さに魅せられ、化学への興味を深めていきました。大学受験にあたっては、化学を専門的に学びながら、幼いころからの夢である環境問題への貢献も実現できる学部を探しました。そこで出会ったのが東京都市大学の工学部エネルギー学科(現 理工学部応用化学科)です。化学を深く探求できる環境に加え、環境問題にも取り組めるという点が私の理想に合致し、進学を決意しました。

学生記者として広げた世界

大学時代、勉学以外で特に力を入れたのが「新聞会」の活動です。学内ニュースを取材・執筆するこの学生組織での活動を通じ、貴重な経験を数多く積むことができました。

例えば、校舎建て替えの際には、竣工前に特別な許可を得て潜入取材を敢行しました。ヘルメットを着用し、職員の方々に同行してもらって見学した建設中の校舎の様子は、今でも鮮明に覚えています。他の学生が立ち入ることができない場所に足を踏み入れ、記者としての責任とやりがいを感じた瞬間でした。

また学園祭の取材では、両肩に2台のカメラ(望遠レンズと広角レンズ装着)を下げ、時には脚立に登って撮影しました。レンズ交換の手間を省くための工夫でしたが、その重量はかなりのもの。苦労もありましたが「これぞ報道記者」といった雰囲気を味わうことができ、充実感に満ち溢れていました。

さらに、新聞会の活動を通じて他大学の新聞部との交流や合同取材をしたことも貴重な経験となりました。例えば、議員会館で政治家とランチを共にしながら、政策の話や議員の仕事内容についてお話を伺う機会がありました。普段では決して接することのできない方々との交流は、視野を広げ、社会に対する理解を深めるうえで大きな刺激となりました。

新聞会での活動は、単なる取材活動にとどまらず、責任感、行動力、コミュニケーション能力など、社会で必要とされる様々なスキルを磨く場となりました。これらの経験は、私にとってかけがえのない財産となっています。

新聞製作を支える
システムエンジニアとしての経験

就職活動の際は、新聞社の技術職を志望しました。私は新聞会で記者の仕事を経験する中で、自分の適性を深く考える機会がありました。その結果、取材や記事の執筆だけではなく、新聞というメディアそのものを支える仕組みにも魅力を感じるようになったのです。新聞を技術で支えるエンジニアとして、情報を読者に届ける重要な一助になりたいと思い、技術職を志望するに至りました。

最初に配属されたシステム部では、新聞制作を支えるシステムの開発やメンテナンスを担当しました。記事や見出し、広告などの多くの要素がシステム上で組み合わさり、1つの新聞として形作られるまでには、複雑な工程があります。私はそのシステムを支えるエンジニアとして、重要な役割を担っていました。

新聞は、読者に多様な情報との出会いの機会を提供する、社会にとって重要なメディアです。例えば、環境問題に関心がなかった人も、たまたま目にした記事がきっかけで、問題意識を持つようになるかもしれません。新聞が持つ「人々の意識や行動を変える力」に貢献できることに大きなやりがいを感じていました。そして日々、新聞が無事に発行されるのを確認するたびに、技術を通して社会に貢献しているという喜びを実感していました。

CTO室で取り組む
「エンジニア職」の未来づくり

現在私は、CTO室という技術戦略をマネジメントする組織に所属し、主にエンジニア職の採用を担当しています。この部署では、エンジニアがより仕事がしやすく、能力を発揮できる環境づくりに取り組んでいます。具体的には、エンジニア向けイベントの実施や採用広報など、幅広い業務を行っています。

大学時代の新聞会での経験は、今の業務に大きく役立っています。特に採用広報においては、新聞社でもエンジニアが活躍していることを社会に広く発信していくことが重要です。新聞会で培った取材力や文章編集スキルは、ブログ執筆などの広報活動に生かされています。

視野を広げ、
自分の可能性を探る時間を

学生の皆さんには、ぜひ「大学時代にしかできない経験」をたくさん積んでほしいと思います。就職のためのスキル獲得や資格取得も大事ですが、それ以上に旅行やアルバイト、サークル活動、授業など、今しかできない経験に集中して取り組んでみてください。学生時代は、時間が比較的自由に使える貴重な期間です。その時間を有効活用し、自分の軸となる価値観や興味関心をはぐくんでください。

視野を広げ、多様な経験を積む中で、本当にやりたいことや将来の目標が見えてくると思います。私自身は、大学時代は学業と新聞会での活動に没頭する中で、多くの人と出会い、社会の仕組みを学びました。そして、それらの経験が今の仕事にも大きく役立っています。ぜひ大学生活を楽しみながら、様々な経験を通して、自分自身の未来を切り開いていってください。