東急株式会社/大宮 慎太郎さん

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経営管理

人々の暮らしに向き合い続ける
ここでしかできない沿線のまちづくり

東急株式会社

顧客ソリューション事業部

大宮 慎太郎

情報工学部(旧:知識工学部) 知能情報工学科(旧:経営システム工学科) 卒業

東京都市大学で経営工学を学び、現在は東急ウェルネス株式会社で介護事業の発展に尽力する大宮慎太郎さん。
大学時代の「数値」と「プロセス」の学びが現在のビジネスにどう活きているのか、
インターンシップを機に決めたキャリアの歩みや、夢を大切にする進路選択の重要性について詳しくお話を伺いました。

理系と文系が交差した学びの場

高校生の頃、将来の就職に強みがあることを重視し、大学卒業後を見据えて理系の進路に進もうと考えました。しかし、化学などの理系科目に強い興味があるわけではなかったため、自分に合う道を模索していたときに出会ったのが、東京都市大学知識工学部の経営システム工学科(現:知能情報工学科)です。ここは理系的なアプローチを用いながら、文系的な経営の領域も学べるという、非常にユニークで実践的な場所でした。プログラミングや情報系の知識から、人間工学に基づいた「使いやすい椅子の設計」に至るまで、学問の幅広さに驚かされたのを覚えています。特定の狭い領域に閉じこもるのではなく、ビジネスにより近い視点で物事を捉えられる経営工学という分野に、私は「これなら飽きっぽい自分でも興味深く学べそうだ」と魅力を感じ、入学を決めました。

日常の裏側にある「最適化」の論理に触れて

大学生活の中で最も印象に残っているのは、それまで一人の消費者として何気なく見ていた世界が、実は緻密な論理と計算によって動いていると気づいた瞬間です。例えば、チェーン店のオペレーション一つをとっても、注文が入ってからデータがどう飛び、店員さんがどう動き、最終的に商品が届くかという一連の流れが、最も効率的に機能するように設計されています。

そのような気づきから、研究室では、サービス業の生産性向上や物流の効率化をテーマにしていました。私はアルバイトをしていたフィットネスクラブを題材に、「どのような見学案内をすれば成約率が高まるか」を工学的なアプローチで研究しました。この経験を通じて、単なる勘や経験ではなく、現状を分析し、課題を整理し、限られた経営資源をどう投下すべきかを論理的に導き出すプロセスの重要性を学びました。大学での4年間は、世の中を「数値」と「プロセス」で捉える視点を私に授けてくれたと感じています。

学生時代の大宮さん。

30年の構想が形作る街を見て決めた道

実は大学3年生の夏まで、私は教職課程を履修しており、教師になる道も真剣に考えていました。転機となったのは、東急株式会社のインターンシップへの参加です。2週間にわたる二子玉川ライズでの実習を通じ、私は「沿線のまちづくり」の圧倒的なスケールと深さに魅了されました。

二子玉川ライズは、構想から竣工まで30年以上という長い歳月をかけ、地域の方々や多くの関係者との合意形成を積み重ねて作り上げられた場所です。私は、どう価値を維持し続けるかに目を背けず、そこに暮らす人々やステークホルダーと長い時間をかけて向き合い続けたのだと受け止めました。そして完成した、駅を出た時の近未来的な街並みと、そこを抜けた先に広がる豊かな緑と住宅地。このように「都会と自然が調和した世界観」を自らの手で創り上げ、維持し続けることの意義深さを知り、私は教師ではなく、民間企業で街の価値を高めていく道に進むことを決意しました。沿線のお客様に真摯に向き合い、長期的なスパンで地域に貢献する東急の姿勢に、自分の歩むべき未来を重ね合わせたのです。

東急線沿線の街で介護事業に挑む「住まいる」

入社後から管理系の業務を長く経験し、現在は経営管理や人事、住まいる事業など幅広く携わっています。なかでもとくに東急線沿線の暮らしに密接に関わるのが、「日本一住みたい沿線のまちづくり」に邁進する東急(株)グループのなかで介護・シニア事業を専門とする東急ウェルネスに出向して、老人ホーム紹介サービス事業「住まいる」に携わる仕事です。私の役割は、高齢者の方々やそのご家族が抱える介護の悩みに対し、最適な施設をマッチングしてご紹介することです。具体的には、インサイドセールスの強化を担当し、介護の悩みを持つ方に「住まいる」を知ってもらえるよう東急線の車内広告やチラシ、Web広告などの戦略を練っています。また、持ち家から高齢者向け住宅へ住み替える方に向けて、住宅探しから入居までサポートする体制をより充実させるため、金融機関や不動産会社などとの連携強化に励んでいます。

鉄道や大規模開発のような「マス向け」の事業に比べると、この仕事は非常にお客様一人ひとりの暮らしに寄り添う実感が特徴です。東急線沿線のまちづくりのなかで、自分が打った施策が困っている誰かのもとへ届き、結果として新しい生活の場が見つかる。それは、まさに大学で学んだプロセスを社会で実践し、実を結んでいる感覚そのものです。

仕事がまちの豊かな暮らしに繋がる手応え

今の仕事において私が感じるやりがいは、大きく分けて二つあります。一つは、自分の打ち出した施策がダイレクトに「売上」という数字に繋がったと実感できる瞬間です。会社は営利を目的とした組織であり、利益がなければ存続できません。大学時代に学んだ「物事を数値で評価する」という工学的なアプローチを武器に、チラシのデザイン改善や外回り営業といった自らのアクションが、どれだけの成果を生んだかを定量的に捉える。そのプロセスを経て、一社員として会社の成長に貢献できているという手応えは、非常に大きなモチベーションになっています。

もう一つは、より深い部分での「お客様からの感謝」です。私自身は裏方として戦略を練る立場ですが、現場の相談員がお客様の悩みに寄り添い、最適な施設への入居が決まって感謝されたという報告を聞くと、この事業の社会的意義を強く実感します。ときには、施設で最期を迎えられた方のご家族から感謝の言葉をいただくこともあります。そうした時、私たちの存在が誰かの人生の支えになれたのだと、何物にも代えがたい喜びを感じるのです。大規模なプロジェクトのような華やかさとは一味違う、この「手触り感」のあるやりがいこそが、今の私の原動力となっています。

自分の「心の声」を信じて

最後に、これから進路や就職を考える皆さんに伝えたいことがあります。それは、「自分の思いを大切にしてほしい」ということです。誰かの意見を参考にすることは大切ですが、最終的に決めるのは自分自身です。5年後、10年後の自分がどうありたいか、どんな夢や野望を成し遂げたいか。その熱量を大切にしてください。

私自身、最初は就職に有利だからという理由で理系の道に進みましたが、その先の東京都市大学で出会った学問に惹かれて突き詰め、東急の都市開発への姿勢に心を打たれたことが、今の自分に繋がっています。また、人の感情や決意は時間が経つと薄れてしまいがちです。だからこそ、今この瞬間に何を感じたのか、どんなことに心を動かされたのかを、日記やメモに残しておくことをお勧めします。自分の感性の記録は、将来迷った時の確かな道標になるはずです。皆さんが自分の「原体験」を大切にしながら、明るい未来へ突き進んでいくことを心から応援しています。いつか、東急のフィールドで共に働ける日が来ることを楽しみにしています。